分けありの食べ物たち その7 梅干しのちょっと微妙な話

分けありの食べ物たち その7
梅干しのちょっと微妙な話

海苔や納豆などとともに日本の伝統
的な食べ物で健康に良いイメージ
のある梅干しですが、他のものと同
じにまがい物と言っていいものがま
かり通っています。
まず見栄えをよくするための農薬の
使用があります。
梅の肌が荒れることを嫌うのです。
また品種も酸味が少なく、見栄えが
する南高梅が使われることが増えて
いますが、南高梅は酸味も少ない
のですが味も薄く、無難な味という
だけで美味しいものではありません。
そして本来、漬け込んでから丁寧に
土用干しして味に深みを増していく
ものなのですが、最近のもののほと
んどはノルマルヘキサン等の石油
系の溶剤で煮て2~3時間で作って
しまう即席の偽物です。
そのため風味が薄いので、鰹や
糖分で味をごまかします。
また日持ちもしないので、添加物に
頼って腐らないようにします。
晴屋ではもう30年以上も群馬・中之
条の小山さんの梅干しだけを扱って
きました。
昔ながらの作り方で、自家製の農薬
不使用の梅とシソをふんだんに使っ
た梅干しは、自然の豊かさの証のよ
うな、深みがありながら柔らかくやさ
しい味です。
当初ラベルもなしで売っていて、賞
味期限も書いていないため、保健所
からクレームがきました。
梅干しは保存食で、時間が経てば
経つほど価値が上がる製品です。
それに賞味期限をつけるのはおかし
なことではないかと抵抗したのです
が、通りませんでした。
今となっては懐かしい思い出です。
けれど小山さんのおばあちゃんも90
歳をはるかに超え、耳が遠いだけで
なくだいぶ動けなくなってきているよ
うです。
さらにこの何年かの梅の不作で、梅
干しも足りなくなってしまいました。
他の梅干しを扱うつもりはなかった
のですが、店頭にまったくないとい
うわけにもいきません。
それで知り合いの生産者のつてを
頼って、品質と価格で納得のいくも
のがあったので扱うことにしました。
こちらは通年の扱いで、小山さんの
ものは春に仕込んだものが熟成して
出荷になる秋から売り切れるまでの
取り扱いになります。
まず一つ目は「曽我の梅干し」です。
小田原の江戸時代からの特産の梅
干しで、小田原宿からこれを持って
江戸へ旅立ったということです。
作っているのはジョイファーム小田原
で、晴屋には柑橘やキウイを出荷し
ています。
品種は十郎梅というこの地特産の梅
で、肉厚でふっくら熟成した濃厚な
風味です。
味は酸味が少し強めで、インパクトが
ある懐かしい味です。
梅干し好きの人にはたまらないでし
ょう。
価格も250gで798円というちょっと
考えられない安さです。
もうひとつは「無肥料40年梅干し」。
漬けて40年経ったというのではなく、
無肥料自然栽培を40年続けている
梅林の梅を使ったという意味です。
もちろん農薬不使用。
塩は、海の精と内モンゴルの自然塩
をブレンドして使っています。
こちらの味は対照的で、柔らかく、や
さしく、甘さを感じる、まろやかな味
です。
価格は250gで1100円という品質か
らは考えられない安さです。
小山さんの梅干し同様、利用してい
ただきたいと思っています。