生きる技術 その3 腸内フローラ

生きる技術 その3
腸内フローラ
フローラというのは神話に登場する花と豊穣と春を司る女神なのだそ
うです。
そこから花畑や花盛りという意味に使われていますが、「陽内フローラ」
では私たちの腸の中で微生物たちが多数に共存共栄している豊かな
生態系を上品な言葉で表しています。
私たちは腸内に微生物たちが住みやすい環境を提供し、その働きの
おかげで栄養を分解、吸収して生きています。
それはある意味、植物をふくめたすべての生物にあてはまります。
自然界には多くの微生物がいて、バクテリアや菌類、微生物などさま
ざまに呼ばれています。
健全な土の中には、スプーン一杯ほどのなかに地球上の全人類と同
じほどの数億の微生物がいます。
団粒構造といわれる数μから数ミリの土のひと粒ひと粒が小宇宙となり、そ
の中で好気性や嫌気性の微生物たちが共存しています。
団粒構造は適度の保湿性と通気性があって、雨が降れば湿度を保
ちながら排水し、雨不足でも完全には乾燥しにくく、空気層があるた
め低温や高温でも一定のすごしやすい状態を保ちます。
そして豊かな生態系は雑菌の繁殖を防ぎ、酸化や腐敗ではなく、発
酵を導きます。
また植物は根から栄養を出し、酵母菌などを周囲にいさせて、不要
な菌の侵入を防いでいます。
土に農薬を撒くと一見病気がなくなるように見えても、生態系は破壊
され、もっと強い菌が入ると圧倒的に優勢になり、独裁者となって手が
つけられなくなります。
それは私たちの体内でも同じです。
植物の根をぐるっと内側に入れ、体内に根を持って動けるようにな
っているのが動物と考えることもできます。
誰の世話にもならず一人で自立しているような顔をしている私たちですが、
実際には多くの生物によって支えられ生きています。
現代では薬を飲むのがあたりまえという風潮ですが、それによって
私たちの自立性は奪われ、次から次へと強い薬が必要となる、薬物
依存の状態となっていきます。
乱れたバランスを取り戻し、より健全なお腹の状態を育てるにはどう
したらいいでしょうか。
農業の現場ではまず堆肥を入れて栄養の状態を改善します。
その際、動物性のものは最低限で発酵を助ける程度にし、腐植とい
われる食物繊維やミネラルを主体にします。
動物性の窒素分の多いものを多用すると、生育は早くなっても病気に
かかりやすい生命力が弱い状態になり、えぐみが強く、甘さを感じない
硬い野菜になってしまいます。
化学肥料も窒素の補給だけなのでその傾向はもっと強いものになり、
人間で言えばスナックばかり食べて太ってしまった肥満児のような
状態です。
健全な食事、伝統的な食生活はすべての基本といえます。
もう少し積極的に腸内に働きかけることもできます。
EM農法という微生物を積極的に畑に投入する農法がありますが、
それに相応するのが、乳酸菌やビフィズス菌でしょう。
体内の腸内有効菌を増やしていく立場で、晴屋では「ヨーグルメイト」
の効果が特に評価されています。
BMW農法は、良質のミネラルのバランスを作ることで、そこにいる微
生物の働きを高めていく発想です。
ミネラルのバランスには独特の力があって、波動といわれるまだ科
学的にも解明されていないエネルギーを導きます。
人間はまだ宇宙のエネルギーの15%ほどしか解明できていないの
だそうで、科学にすべてをゆだねるのは無理があります。
晴屋の「ベビールイボス茶」などはその典型で、腸の働きが高まり、
便秘や下痢だけでなく、代謝を高めて、血圧や血行、疲労やアトピー
など多くの効果があります。
伝統的な食生活には大きな効果が確実にあるのは確かですが、そ
れとともに自分や自然の力を信じる姿勢も必要です。
食欲が無いのは食べる必要がないからです。
無理に食べたり、胃薬を飲んだりするれば、欲や余分な思い込みで
自分を見失い、身体と感性を鈍らせます。
下痢も必要だからします。
腸内の不要で害のある物を早急に体内に出したいという自然な要
求、あるいは頭の緊張を緩めたいという働きです。
それを薬で抑えるというのは、愚かで、暴力的でしかありません。
自分の身体を力づくで使おうという人は、他人にも同じ感性で迫る
でしょう。
現代の忙しさ、能率や数字を求め、失敗やクレームを恐れ、とりあえず
の物質的要求を与えられたものの中から充たそうとする傾向は、こう
してますます強くなっていきます。
私たちはその大きな流れを変えることはできないかもしれませんが、
まず自分がその流れから違うところに身をおき、その輪を広げていく
ことはできます。
そうした意味で食べることはひとつの文化であり、生き方が食べ物を
選び、またそれによって生き方を選んでいくものです。
暴力の連鎖や、発展や上昇の幻想にとりつかれた限りない物欲の
世界から逃れたいと願っているのは私だけではないでしょう。